「いつか」を「今」にさせたDental eNote®
サブカルテのペーパレス化で得た時間ロス削減・患者サービス向上、さらにデータ資産の活用へ
移行作業は、院内に電子化チームを立ち上げて週に1度ミーティングで状況を確認しながら進めました。
問診票、治療記録、治療計画書など、業務に必要な書式はDental eNote®に標準で入っているものを使用しています。「標準で入っているそのまま、あるいは院内で少しカスタマイズしたら十分揃った」カスタマイズ作業は電子化チームの中で特に作業に向いているスタッフが担当しました。
直近のカルテと書式が整うとDental eNote®でのサブカルテ運用はすぐに軌道に乗りました。翌日の診療のカルテはiPadですぐに見ることができるので、その場でどの患者さんにどんな診療をするか確認できます。後にカルテ内容を入力したらその場でクラウドにアップロードするのでバックアップする必要もありません。これまでカルテの出し入れにかかっていた時間がゼロになり、電話応対や患者対応に充てることができるようになりました。患者と医師の橋渡しの役割を持つトリートメントコーディネーターの仕事を受け持つスタッフは、これまで以上に患者さんの話の聞き取りに時間を割けるようになり、患者サービスが向上していると言います。
移行作業の中で、特に時間がかかるスキャン作業は長時間残業にならないよう余裕を持ってスケジューリング。過去10年分・約1万のカルテのeNote化(スキャンしてDental eNote®に取り込む作業)は6ヶ月以内という目標を設定して志願者を募って実行しました。院内はDental eNote®で一変。受付裏のカルテ棚はカラっぽに。地下のカルテ庫には別のものが収納できるようになりました。もちろんしばらくぶりの患者さんの予約が入っても、カルテを探して走り回ることはありません。
また、誰が記入したかが明確になるのもデジタル化のメリットです。これまではコメントに加えて押印したり、筆跡で判断していましたが、Dental eNote®ならログインした人のスタンプを簡単にポンと押すことも可能です。
(左)導入前、フォーム類はコピーして引き出しにストック。ここから取り出してカルテに追加して使っていた
(右)iPadの中のテンプレートを選ぶだけに
(左)導入前の紙カルテ。内容を読み取るのが難しいことも多かった
(右)導入後、カルテは変換することとし、読みやすくなった。欄外に写真を貼り付けるのも簡単
(右)Dental eNote®導入後。標準搭載のテンプレートを使用して、カスタマイズした
また、iPadさえあればいつでもどこからでもカルテを見て判断することができるため、学会等で不在時に理事長の指示を仰ぎたいケースでも、素早く正確な指示を出すことができる環境が整いました。
*iPad(Dental eNote®)の院外持ち出しは理事長に限定しています。
「しかし、デジタル化そのものが目的ではない」と理事長は言います。Dental eNote®でサブカルテの中にすべてが紐づいて保存できるようになり、仕事の省力化が進みました。その過程でデジタル化されたデータは既に1万を超える規模で蓄積されており、今度は蓄積データを活かすフェーズが始まろうとしています。「例えば、カルテにインプラント、歯周病、などいくつかの付箋をつけている。これからはこの付箋を使って絞り込んだり、といった使い方をしていくようになるだろう」デジタル化はデータ資産を治療に生かすための基盤であると言います。
そして「以前はいくつもの道具や作業が必要だったことも、今はiPadひとつでできるようになった。しかしこれらのツールもまた、今はまだ存在しないようなものが出てきて、きっとそれを使っていかなくてはならなくなるだろう」と言います。Dental eNote®でカルテのペーパーレス化から業務DX化を進めることは、原田歯科にとって自然な流れでした。これから起こる様々な変化にも、スタッフと一丸となって力強く前進していくでしょう。
MetaMoJiは、Dental eNote®をはじめとする製品群で、歯科業界をはじめあらゆる業界の業務DXをサポートしてまいります。
お話をうかがった、原田歯科クリニック・原田幹夫理事長
(2022年8月取材)