コロナ禍の非常事態宣言で半数近くの社員がリモート勤務になる中でテレワークを成功
西日本旅客鉄道株式会社(以下JR西日本)大阪工事事務所は、JR西日本管内における将来の経営基盤となる新駅や路線の計画・設計から施工監理までを一貫して担う技術部門です。金沢から広島まで18箇所に及ぶ現場部門と頻繁に行う遠隔会議のシステムとして「MetaMoJi Share for Business(以下MetaMoJi Share)」を全300人に導入しました。
MetaMoJi Share導入の前後と現状について、同社ICT業務変革課の武部氏・小路氏にお話を伺います。インタビュー時は、他部署に異動されていたのですが、MetaMoJi Shareの導入には、前任の古林氏が尽力されたとのことです。
※「MetaMoJi Share for Business」は、「MetaMoJi Share for Telework」と同等の機能を備えた大規模法人向けの製品です。
働き方改革実行計画を策定した当初、「北陸新幹線の敦賀延伸、大阪うめきた地区の再開発、奈良線の複線化という3大プロジェクトをはじめとする 建設プロジェクトが多く控えており、”仕事は増えるが社員数は変わらない”ことは明白でした」
「そもそも紙ベースの仕事・集まって仕事をするという旧態然のやり方を変えなければ」と「第一歩としてiPadを採用し、まず最初に幹部会議へのペーパーレス会議アプリの導入に取り組んだ。最初は会議にiPadを利用すること自体へのセキュリティ面の不安や、実際に対面しない会議への心理的抵抗が感じられたが、会議の継続を経て”使える”と理解してもらえたようだ」と振り返ります。
次ステップとして大阪工事事務所全体への展開を考えた時、当時使用していたペーパーレス会議のアプリでは会議後に気づきを書き込むというような発展的な使い方ができなかったため比較検討を重ね、「共有メモとプライベートメモが使い分けられること、研修や稟議、資料の電子化など会議システム以外の使い方ができる点」などが決め手となり2019年11月MetaMoJi Shareを全社に導入しました。
「音声のコミュニケーションはWeb会議システムを利用し、資料はBOXや共有サーバから各自が開いて参照していた時は、発言者が今どこを指しているのかがわかりにくかった。iPadだけだとラジオを聞いているようで相手が頷いているか、顔をしかめているかがわからない」(武部氏)
「ツールによっては画面を資料に切り替えると相手の表情が見えなくなる場合もあった。Web会議が浸透していく反面、相手の表情が見えないので本当に聞いているのか・理解されているのかがわかりにくくなってきた」(古林氏)ことから、現在会議はPC(Web会議システム)+iPad(MetaMoJi Share)で実施しています。
MetaMoJi Shareに置き換えると「ポインタの機能などによりあたかも同じテーブルで対面しているかのように”そこ”(発言者が指し示す箇所)がわかるようになった」「相手の表情も捉えることができ、対面と遜色のない会議ができるようになった」と、会議システムの満足度が上がりました。
そのような状況にあってもやはり「”人は集まって会議するもの・対面でやってこそ会議”という意識は根強く、実際のところ組織全体が共有するのは難しい」(武部氏)と感じていましたが、2020年春、新型コロナの「緊急事態宣言」発令により状況は一変します。
「非常事態宣言中、半数近くの社員がリモート勤務となった。その時、会議以外に”ついにこういう(MetaMoJi Share)の使い方が出てきたか!”と思わせる事例が出てきた」
例えば社内の稟議は「承認のプロセスが非常に多いのが特徴で、契約審査や技術審査など、承認印が10を超えるような社内稟議も珍しくなく、スタンプラリーと呼ぶほど」「それが対面でできなくなったため、図面や設計図・契約図書などをMetaMoJi Shareで共有し、サインでの承認を可としたことで電子決裁的に使用できた」
もちろん同社には電子決裁システムも導入されていますが、添削ができず一度差し戻すといったロスが発生します。また、対面でなければできないと思っていた「ここはこうじゃないでしょう」といった教育的なやりとりがMetaMoJi Shareなら実現できたことなども功奏し「本当に現場が上手く使ってくれたと感じている」(武部氏)
社員全員がオンラインで繋がり、業務の大部分が進められるようになった今、「課長クラスを中心に”場所に捉われず会議に参加できるようになった”と実感しているようだ。課長クラスは特に会議や出張で常に席にいないことが多く、従来アポを取って、内容を説明して初めてコミュニケーションが成立していたが、資料を先に共有しておけば自分の時間・タイミングで資料にコメントや添削ができるため、練り上げて作っていくような場面での時間が大きく短縮された」
今後、会議の目的によってリモートと対面を使い分けていくようになるだろうが、現時点では”社内稟議の持ち回りはオンラインとする。ツールはMetaMoJi Shareを使うこと”といったルールができているほど。あの時MetaMoJi Shareを全社導入しておいてよかった」と当時を振り返ります。
「MetaMoJi Shareを会議以外に使わないなんてもったいない」と武部氏は何度も繰り返し、今後さらにMetaMoJi Shareを使っていきたい業務として、社内の集合研修や、社外とのやりとりを上げています。テキストを印刷・配布し、研修センターに集まって行っていた集合研修をMetaMoJi Shareであれば印刷費や、一箇所に集合するためのコストは確実に削減できるでしょう。また、クラウド上に保管したテキストはいつでもどこからでも閲覧できるので、事前学習や復習が効率的に行えます。 そして前出の稟議はあくまでもコロナ禍に現場から発生したものであるため、今後ルール等を整備し、正式な運用にステージを上げていきたいと言います。
JR西日本の中で先頭を切ってMetaMoJi Shareによる働き方改革の大きな一歩を踏み出した同社。「MetaMoJi Shareによって仕事の概念が変わった。社員の働き方を大きく変えてくれた」(武部氏)と語ります。MetaMoJiでは、製品を通じて同社の更なる進化を支えてまいります。