医療法人 大木会 大木歯科医院様

紙のサブカルテそのままのデジタル化で混乱なく導入
専任必要だったカルテの取り出しが手元のiPadから一瞬で

 三重県鈴鹿市の大木歯科医院は、20台のチェアを有し、虫歯治療からインプラントまで幅広く治療を提供する大型総合歯科医院です。開院から20年を迎える同院では、一日200名を超える患者様のカルテをMetaMoJi Dental eNote(以下 「Dental eNote」)で運用しています。同院の院長・笠井啓次氏にDental eNoteの採用についてお話を伺います。

求めていたのは
紙のサブカルテそのままのデジタル化

同院のチェア数は20台。毎日200件を超える診療を20代から50代まで75名のスタッフが支えています。開院20年を迎える同院には約4万のカルテが存在しており、受付から診療まで業務全体のDX化の必要性を感じていました。新型コロナの影響が強かった頃、まずは臨床のデジタル化を進め、次は事務・受付回りだと狙いを定めつつあった頃、ある勉強会後の懇親会の席で「Dental eNoteはいいよ」と聞き「これは自分が求めていたものに近そうだ」と直感したと言います。決め手となったのは「紙のサブカルテそのままにデジタル化できる」という点でした。

スタディグループの役員を務めるなど、研究会や勉強会に積極的に参加する笠井院長は、業者のプレゼンを聞く機会も多く、サブカルテのシステムに関する情報自体はたくさん持っていました。「仕組みとして作り込まれたものも多数あったが、限りなく紙のカルテと同じものが欲しいと考えていた。それは、”紙と同じだよ” であれば、スタッフも受け入れられるだろうと考えていたからだ。大木歯科は創業より新しいものにチャレンジする気風があり、ある程度デジタルに強いスタッフが多いとはいえ、そこには個人差がある。導入するツールはできるだけハードルが低く、誰でも抵抗なく使えるものである必要があると考えていた。ここに最適なシステムはどれで、最適なタイミングはいつか、を見極めていた」と言います。

Dental eNote の話を聞き「シンプルな仕組みでやりたいものに近かった。元々デジタル好きなこともあり、面白そう、やってみたくて仕方なくなった。まさにDental eNoteに飛びついた感じ。ちょうど分院の開設とスタッフの産休が見えてきたタイミングだったこともあり、話を聞いた翌日にはMetaMoJiに問い合わせして、”これは使える” と感じた」すぐにトライアル運用をスタート。20のチェアがフル稼働し、カウンセリングも多い同院で、60台のiPadが一日中安定して使えるようWi-Fiを強化し環境を安定させ、本格運用を開始しまし
た。

紙の感覚のまま、デジタルで素早く便利に

サブカルテは「紙のカルテそのままのアナログ感」を大切にしています。例えば、サブカルテと同じサイズになるよう、デバイスはiPad Pro(A4サイズ)に統一し、ApplePencilでまさしく紙とペンそのままの感覚で使用しています。また、読みやすさを考えると、手書きした内容をデジタルに変換することも有用ですが、あえて「紙のカルテのまま」手書きのままにこだわっています。そのため、混乱なく移行できたと言います。もちろん、デジタルの便利な点は積極的に取り入れています。
例えば持ち込まれた診断書や口の中の写真は、以前はコピーして、切って、貼って、書き込むいくつものステップが必要でしたが「iPadのカメラで撮影して貼って囲んで書き込むだけ。簡単な手順で紙の感覚のままできて非常に便利になった」と言います。

また、見積もりや紹介状など、決まった形式のものはテンプレートやスタンプを使い、手書きやワープロよりも簡単に素早く準備できるようになりました。「使用頻度が特に高いのは見積もり。日付を選んで、セラミックなどの項目を選択肢から選んで、Wi-Fiでプリンタに飛ばしてすぐに印刷して渡すことができとても便利だ」(笠井院長)

テンプレートやスタンプは院内スタッフが作っており、既に数え切れないほどのテンプレートが充実し、日々の業務を支えています。

院内で作成したテンプレートが充実している。必要な項目を選ぶだけで完成する紹介状や見積もりは特に使用頻度が高い。

電話が鳴るとカルテ棚に走っていた

既存カルテのスキャンは大変な作業ですが、今は紙カルテの患者さんの予約が入った時にDental eNoteに取り込んでいます。
もちろん新しい患者様は最初からDental eNoteです。
また、その場でDental eNoteに取り込めば良いと考え、ScanSnap(*1)を各チェアに配置しました。
ほんの数分で取り込みが可能なので、患者様がチェアに座り治療が始まる頃にはDental eNoteとして取り込みが完了し手元のiPadにカルテが表示され、スムーズに治療が始められます。

既存のカルテが約4万、1日に200名以上の診療がある同院では、予約や問い合わせが入るとカルテを取りに走る必要があり、受付スタッフのうち1名はカルテの出し入れ専従とならざるを得ない状態だったと言います。
「受付には前日準備した予約患者のカルテ、問い合わせ対応のために出したカルテ、翌日のために準備中のカルテ合わせて400-500のカルテの山があった。
明日予定の患者様のカルテはカルテ棚にはない。
それを探し出すには熟練の技が必要で、私自身カルテ出しはできない状況だった。
今では患者さんの名前がわかれば、タブレットに入ったアポイントシステムで患者ナンバーを調べ、その番号で誰でもすぐに、その場から移動することなくiPad上に取り出すことができるようになった」とその変化を語ります。


現在、同院では60台のiPadが稼働しています。
「iPadは個人専用にしておらず、助手はチェアについているiPadを使用し、治療後カウンセリングルームに移動する場合、iPadを次のスタッフに渡す」患者の治療に合わせてiPadがついていくイメージです。
「例えば家族で一緒に治療している場合、タブを切り替えながら複数のカルテを参照するよりも、1人1台のiPadで必要な箇所を表示させて一覧する方が早い場合も多い」ため、予備のiPadもスタンバイさせており、1日の診察を終えたら所定の位置にiPadを戻す流れで運用しています。

Dental eNoteに取り込んだカルテは、シェア機能により別々のデバイスから同時に読み書きすることができます。患者のチェアを挟んだ状態で、カルテを相手に向けなくても各自のデバイスで見ることができるので、アシスタントが書き込んだ内容が正しいか医師側のデバイスで確認したり、直接書き込んだりすることもできます。

さらに、今夏分院をオープンする予定の同院にとって、カルテの移動が不要なことはもちろん、本院と分院が離れた距離で同じカルテを共有できることは大きなメリットになると考えられます。

チェア横にScanSnap(*1)を配置。医師とアシスタントが同じカルテをシェアして、やりとりもシームレス。

スタッフの成長にもデジタルの力を活用

診察以外でのDental eNoteの利用も進んでいます。
例えば勉強会では、事例を振り返る際に必須のカルテを、以前は大型モニターに投影するなどしていましたが、今では誰もが手元のタブレットで見ることができ、拡大も自由自在。より詳しく症例を振り返ることができるようになったと言います。また、録音機能を使って、問診や、患者様への説明の様子を録音してカルテに貼り付けて保存しています。医師・技術者の成長においてカウンセリング技術を磨くことが大切だと考える笠井院長。自分のやりとりを聞いてそれを吸収して欲しいと、活用はまだこれからですが、患者様にどのように問診しているか・説明しているか、経験の浅いスタッフがリアルなやりとりを聞いて問診の仕方・コミュニケーションの仕方を学ぶためのデータを蓄積していると言います。大木歯科医院という名前には、恩師から贈られた「大きな木になれ青年よ、その下に多くの人が集えるように!」という想いが込められていると言います。「なくてはならない存在になれば、大きな木になる。医院も、そこで働くスタッフも社会的財産になろう」と進んできた笠井院長の熱い想いは、鈴鹿市の5人に1人
にあたる4万というカルテに繋がりました。「専門性の高い治療を提供する歯科として、ここで成長したスタッフがいつか巣立ち、自身の成功を振り返った時に、大木歯科医院での経験があったからだと思ってもらえる存在になりたい」と熱く語る笠井院長の挑戦はこれからも続くでしょう。

そしてDental eNoteも、「歯科医院になくてはならない存在」として進化してまいります。このたび、ご要望の多かった検索性を向上してリリースいたしました。日々の負担を減らし、より多くの患者様の治療が進められるよう、一層活用いただけるものと確信しております。

MetaMoJi は、Dental eNoteをはじめとする製品群で、あらゆる業務のDX化に貢献してまいります。



お話を伺った 大木歯科医院 笠井啓次院長

(*1) ScanSnapは、株式会社PFUの日本における登録商標です。
(2022年4月取材)